蓄光とは
蓄光とは、光を一時的に蓄積し、暗闇や暗所でその光エネルギーを放出して発光する現象です。一般的に「夜光」とも呼ばれますが、最近では長時間発光する「長蓄光」が主流となり、「蓄光」という表現が使われています。英語では “Glow in the Dark” や “Phosphorescent Pigment” として知られています。

光源
蓄光のエネルギー光源としては、UVライト、太陽光、白色蛍光灯、そしてLEDランプが挙げられます。この中でも特に紫外線(UV)は、蓄光顔料を効率的に励起(エネルギーを蓄えること)させるため、最も効果的な光源です。蓄光製品を最大限に活用するためには、これらの光源に十分に当てることが重要です。
化学構造
現在の長蓄光顔料は、主にSrAl₂O₄:Eu²⁺,Dy³⁺(ストロンチウムアルミネートに希土類元素を添加したもの)を基盤としています。この構造により、従来のZnS系短蓄光よりも高い発光強度と持続時間を実現しています。また、顔料粒子のサイズは蓄光特性や輝度、安定性に影響を与え、粒子が大きいほど性能が向上する「サイズ効果」があります。ただし、粒子が大きすぎると実用面で課題が生じるため、粒子サイズを精密に制御することが重要です。
製品の特徴
優れた蓄光性·輝度:蓄光顔料を個別にカプセル処理することで、同じ照射条件でも光吸収効率が向上
分散性を高め沈殿の問題を改善:均一な混合を可能にし、長期間安定した状態を維持
鮮明でクリアな発色:沈殿問題の改善により、厚塗り加工でも均一に分散が起こり、色ムラを防ぐ
劣化に強い:カプセル化処理により水分、金属、酸、アルカリなど環境要因による劣化を抑制
応用分野
ペイント、砂、石、テープ、シール、射出成型、モールド、プラスチック、合成樹脂、シリコンなどさまざまな分野に応用できます。夜間に蓄光効果を発揮するため、公共物などにも応用可能です。
取り扱い商品
原料の形状 | 微粒子 |
サイズ | 40マイクロメートル |
コーティングタイプ | 一般製品/分散油性用(NS)/耐水用(NO)/共用(NSO) |
カラー | イエローグリーン/スカイブルー/ブルー(着色)/オレンジ(着色)/ピンク(着色) |
*着色製品は基本色より輝度が低くなる可能性があります